大判例

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最高裁判所第一小法廷 平成2(あ)248 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人尾崎陞名義の上告趣意のうち、違憲をいう点は、現行の死刑制度が憲法に

違反するものでないことは、当裁判所の判例(最高裁昭和二二年(れ)一一九号同

二三年三月一二日大法廷判決・刑集二巻三号一九一頁)とするところであるから、

所論は理由がなく、判例違反をいう点は、所論引用の各判例はいずれも本件とは事

案を異にして適切でなく、その余は、単なる法令違反、事実誤認の主張であって、

適法な上告理由に当たらない。

また、記録を調査しても、刑訴法四一一条を適用すべきものとは認められない(

本件犯行当時、被告人が心神喪失又は心神耗弱の状態になかったとした原審の判断

は、正当として是認することができる。また、本件は、被告人が、競売で取得した

宅地、建物の明渡し交渉が思うように進展せず、転売先への右宅地の引渡し期限や

金融機関への借金の返済期限も切迫したことなどから、右建物に居住する被害者一

家を殺害して同人らが同所から立ち退いたかのごとく偽装しようと考え、殺害用及

び死体解体用の様々な道具を購入するなど周到な準備をして被害者宅に赴き、一歳

の男児と六歳の女児の面前でその母親を玄能で撲殺した上、右幼児二名を撲殺ある

いは絞殺し、次いで、帰宅した九歳の女児を絞殺し、その後、父親の帰宅を待ち受

けて同人をまさかりで斬殺し、さらに、死体を遺棄して犯行を隠蔽するために、右

父親の死体を解体したほか、母親及び男児の死体を損壊したという犯行であって、

その結果は一家五名の殺害という極めて重大なものである上、その態様も計画的で

凶悪かつ残忍であり、原判決が維持した第一審判決の死刑の科刑は、当裁判所もこ

れを是認せざるを得ない。)。

よって、同法四一四条、三九六条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとお

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り判決する。

検察官 三谷紘 公判出席

平成八年一一月一四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 高 橋 久 子

裁判官 小 野 幹 雄

裁判官 遠 藤 光 男

裁判官 井 嶋 一 友

裁判官 藤 井 正 雄

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